選手の振り返りを、次の練習に生かしたい指導者へ
練習・試合の振り返り|5つの質問と記入例
一つの場面について、起きたこと・判断・次に試す行動を残します。5つの質問から目的に合うものを選び、回答を読んだ後に何を返すかまで決めてください。
そのまま使える、振り返りの5つの質問
最初は「事実」と「次回」の2問から始め、判断の理由を知りたいときに問いを足す方法もあります。毎回すべて答えてもらう必要はありません。競技や年代、活動の目的に合わせて言い換えてください。
事実:今日、印象に残った場面で何が起きましたか?
練習や試合から一つの場面を選び、いつ、何をしたかを書きます。「良かった」「悪かった」という評価に加えて、起きたことを残します。
狙い:その場面で、何をしようとしていましたか?
達成したかったことを書きます。活動前に決めた目標があれば、その場面の行動と結びつけて確認します。
判断:何を見たり聞いたりして、その行動を選びましたか?
仲間の動き、声、相手の位置など、判断の材料を書きます。うまくいった場面でも、続けたい判断を残してください。
連携:仲間のどんな声や動きが、助けになりましたか?
自分が助かった具体的な行動を書きます。思い当たらない場合は、どの場面で何を伝えてほしかったかを残しても構いません。
次回:どの場面で、何を一つ試しますか?
「いつ」と「すること」を書きます。次の活動で、実際に試せたかを確かめられる行動に絞ってください。
5つの問いへの記入例(架空)
以下は、練習メニューの切り替えを題材にした架空の記入例です。実際の選手の回答や導入実績ではありません。書き方を示す例なので、同じ答えや文章量を求めるためには使わないでください。
事実
次のメニューが始まったとき、自分がボールを運ぶ担当だと分からず、その場で待っていた。仲間に呼ばれてから準備に加わった。
狙い
次のメニューを全員で始められるよう、準備を終えておきたかった。
判断
前のメニューで運んでいた人が、続けて担当すると思った。次の役割が変わったかは確認していなかった。
連携
仲間が「次はボールをお願い」と役割を具体的に伝えてくれたので、何をするか分かった。
次回
メニューの開始前に、自分の役割を隣の選手と確認する。分からなければ、その場で担当スタッフに聞く。
回答を、次の練習につなぐ4つの手順
依頼するときに、回答を見る人と結果の共有範囲を説明します。本人が想定していない範囲へ回答を転記せず、チームで共有する内容を確かめてください。
活動後:回答を読む担当と、返す日を決める
その活動で確かめたい問いを選び、回答の期限とフィードバックする場面を伝えます。スタッフが次の練習までに読める量から始めてください。
回答後:一つの場面と判断を確かめる
一人の考えを知るときは回答者別、共通するテーマを探すときは質問別に読みます。曖昧な表現には、その場面で何が見えていたかを聞き、すぐに評価を決めないようにします。
次の練習前:試す行動を一つ共有する
回答を受けて、誰が、どの場面で、何を試すかを決めます。本人の提案を一緒に具体化し、チームで取り組むことがあれば練習の冒頭で伝えます。
試した後:できたことと、残った困りごとを聞く
「決めた行動を試せたか」「そのとき何が起きたか」を確認します。試せなければ理由を聞き、場面や行動を見直します。うまくいった行動は、続けることとして残します。
「頑張る」だけになる・書けないときの聞き方
回答が短いときは、量を求める前に質問の範囲を狭めます。失敗だけを探さず、うまくいった場面や続けたい行動も聞いてください。
「頑張る」だけになるとき
「次の練習の、どの場面で何をしますか」と聞きます。例えば「メニューが変わる前に、自分の担当を確認する」と、確かめられる行動にします。
場面を思い出せないとき
「練習の最初・途中・最後で、覚えている場面はありますか」と範囲を区切ります。口頭で聞いてから本人が短く書く方法もあります。思い出せないことを作って書かせないでください。
チーム全体の運営を見直したいとき
一回の活動を振り返る問いと、一定期間の目標・役割・情報共有を確かめる問いを分けます。後者にはチームアンケートの質問例を使えます。
まず確認すること
- 次の活動に合わせて、聞く問いを選んだか
- 回答を見る人と共有範囲を説明したか
- 誰がいつ回答を読み、何を返すか決まっているか
- 試す行動と、実施後に確かめることを決めたか
